中期の英語

中期英語

英語の歴史における大事件、ノルマン人の王ウィリアムズによるイングランド征服が起こり、言語環境が一変します。

ノルマン人の言語、ノルマン・フランス語が公用語となり、宮廷・議会・学校などで用いられるようになります。

英語は庶民階級でのみ使用されるようになり、また学者や聖職者は書き言葉としてラテン語を使用していました。

言語の3重構造が生まれたわけです。

肉を食べる上流階級はノルマン・フランス語のboef (=beef 牛肉)を使い、庶民はox(雄牛)やcow(雌牛)を使う。

beef はフランス語を起源とし、cow はゲルマン語を起源としているのです。

日本語なら牛に肉をつけて、牛肉となっているところが、英語では別々の単語になっている理由がここにあります。

英語が世界でも有数の語彙数をもっている原因の一つは、ノルマン・クエストが大きく関係しています。

1205年、ノルマン人のジョン王がフランスとの戦いに敗れ、ノルマンディー(フランス北西部の地方)の土地を明け渡したことをきっかけに、ノルマン人の貴族たちはイギリス人としての自覚を持つようになります。

また、フランスとの百年戦争(1337年~1453年)の中、敵国の言語であるフランス語に対する国民感情から、1362年フランス語は公用語としての地位を失い、英語が再び公用語として復活しました。

英語が主流になるにつれて英語に不足していた語彙がラテン語、フランス語経由で大量に入ってきました。

文化水準の高かったフランスから積極的に語彙を借用したため、様々な単語がフランス語から取り入れられました。

例えば、政治関係ではadminister, government, parliamentなど、法律関係ではcourt, judge, suitなどの言葉です。

また、この時期に、名詞の性や格変化が失われ、語順によって意味を表すようになり、文法が単純化されました。

さらに、書き言葉には長らくラテン語が使われていたため、書き言葉と話し言葉が分離していましたが、14世紀末にチョーサーが「カンタベリー物語」を英語で表してから文字としての英語も認知されるようになりました。

15世紀には「大母音推移(母音の発音の仕方が変化する現象)」が起こり始めます。

しかし、音の変化を文字に反映させなかったため、発音と綴り字の不一致という英語特有の現象が起こる事となりました。

例えば、timeはもともとは、timaと綴り、「ティーマ」と発音していましたし、fiveは「フィーヴェ」、rootは「ロート」、seekは「セーク」と綴りどおりに発音していました。

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